令和3年度第一回総会を開催しました。

6/5(土)令和3年度の第一回総会を開催。それに先立ち特別講演会が開催されました。

『場を和ませるために発した軽口が、それアウトです!』

なんてことが起きてしまってもなんの不思議もない昨今の状況。どこまでがセーフなのか、またその対処法について講演していただきました。今回は会場参加とオンライン参加の二元体制で、ハイブリッドな講演会となりました。以下要旨をまとめました。

 今年2月に森喜朗オリンピック委員会会長の発言で、本人が会長の座を辞任されたことは記憶に新しいと思います。本人は“場を和ませるために発した軽口のつもりだった”ことのようですが、問題発言とされて国内外で非難を浴びてしまいました。

 最近は“炎上する”事態が日常的に発生しています。炎上とは、不祥事の発覚や失言・詭弁などと判断されたことをきっかけに、インターネット上で非難・批判が殺到して、収拾がつかなくなる事態や状況のこと。

 新型コロナ禍で、感染不安や外出・営業制限への不満からか、不寛容の空気が高まっていることも炎上が起きやすい原因ではないかと思われます。

 発言の趣旨は違っていたとしても、その発言が都合のいいように切り取られて、それを見て反応される。弁明してもそれが一層火に油を注ぐ形になるのが特徴です。

 炎上の正体は「正義中毒」(中野信子氏)であるとも言われ、“自分の正義感で相手を裁き、「許せない」と攻撃し”“攻撃することが快楽となりやめられなくなり”“炎上が収まると次のターゲットを探す”といった流れにあるようです。

 炎上に参加する人はごく一部の人達ですが、TV等のマスコミで取り上げられると拡散され大きな事態となり収拾つかない状況となっていきます。

 そのような中で、とくに「性差別的なうっかり発言」~“男らしさ/女らしさを決めつける発言”等には十分注意する必要があります。日本では男女格差の意識が残っていますが、ジェンダー平等は世界的常識となっています。ジェンダーとは「社会的・文化的な性差」を指します。性差に関する持論を公の場で発言すると、批判される世の中になっていることの認識が重要です。

 一方、ジェンダー平等は性別での役割分業意識にも変化が表れており、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という価値観は、年代間において大きく異なってきています。

 炎上は夫婦間においても発生する要素があります。

 夫婦の会話においてのNGワードは、「こっちは頑張っているんだけど!」「やって当然だよね」「そんなこともできないの」「やればいいんでしょ」「疲れているんだけど」(日本生活共同連合会調査)、また「結婚しなければよかった/人生返して」「触らないで!/生理的に無理」・・「親の悪口」(ゲンナイ製薬調査)などなど。

 特に妻へのNGワードのNo1は「手伝ってあげる」です。育児も家事も夫婦で協働することが“当たり前”の世の中になってきているということです。

 「男は家族を養うべき」「子育ては女性がするもの」などという、“無意識の偏見”は誰もが持っています。が、大切なことは、そういう「偏見に基づいた発言をして、誰かを傷つけていないか」と、相手に対して敏感になることであり、「相手を理解するよう努めること」なのです。

 そのためには、愛と感謝の気持ちで接することが大切であると考えます。

 注意をしていても、相手を傷つけるうっかり発言をしてしまうこともあります。そんな時は“すぐに謝る”ことが重要です。意地を張って反論するとさらに事態を悪化させ、最悪の炎上にもつながります。

 「相手に対し関心を示し、尊重する姿勢」、「関係者や家族等に“ありがとう”を伝える姿勢」を大切にして接していくことが、炎上にあわないために大切なことであると考えています。

講演日:令和3年6月5日
神奈川県立スポーツ会館2A会議室

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